レジームチェンジ反対

2008年04月29日

ヤンキー葬送曲

おうよ
出そうかどうしようか迷ってたけど
出すぜ

いい加減ドタマに来てる



前歯三本に、右手の拳を持って行かれた。それが、彼のカツアゲの代償。いや、正確に言えば自分のカツアゲの罪を、他人になすりつけた、その報い、である。

状況を話している間中、イチは震えていた。タバコに火を点けることすらできないほどに。ガタガタいっているそのライターを取り上げ、自分の口で火を点けたタバコをイチの口に吸わせてやり、テツは尋ねた。

「何人だ?」

部屋の中に何人いたのかは分からない。暗くて、タバコの煙がもうもうと立ちこめていた。ただ、俺をやったのは二人だ。そんなふうなことを、イチはいった。最後の方は嗚咽がこみ上げてきて、なんだか分からないノイズになっていた。

「まあ、気にするな。今日はゆっくり休め」

ベッドに寝ているイチの左手首のあたりをギュッと握り、その後、ポンポン、と車のクラクションでお礼をするようなリズムで叩いた後、テツはこう言った。

「心配するな、それだけやったんなら、やつらも満足しているさ」

俺は、その言葉を聞いて安心した。

だが、病院を出て、一度背伸びをして、ふにゃあと猫が甘えるような声を出して(どう表現していいか分からない、とにかく、人が安心しきって伸びをするときの、あの声だ)テツはこう言った。

「行くぞ、奴らがいるうちに」

テツは、その前に腹が減ったから飯を食べに行く、準備をしたらもう一度ここに、と言った。

「1時間後だ」

40分ほど立った後、まだはやいかなと思いつついってみると、テツはそこに待っていた。ごく当たり前に挨拶をするように、タバコを持っているその手を振る。

「ところで、お前、エモノ持ってるか?」

「……」

「いいか、あいつらは普通じゃない」

「……そんなもの持って行ったら、死人が出るぞ」

俺は手にしたバールを眺め、しばらくは何も言えず、じっとしていた。突っ立ていた。2秒間ほど。

偽善者1号『黒旋風のテツ』より


おうよ
オイラ聞きたいことあるんだが
いいかな?

うん、聞く人によっては、ひどいこと言うから、覚悟してな

そこの
やたらと連帯を否定する個人の
みなさんの中のあなた


もしかして「自分だけ」の権利を守りたいからそんなことを言ってるんじゃないよね


自分だけを守りたいから
人の魂から繰り出される檄文を
封殺しようとする

そんなことないよね

そういうの、なんて言うんだろう、言葉が思いつかないや
でもそんな人いないよね
たかがブログの世界で

テツは立ちすくむ俺に差し出した。

「催涙スプレーだ。アネキのとこから持ってきた」

テツの姉はコザの街のスナックにで勤めをしていた。テツはその時、はにかんだように笑ったが、俺は笑えなかった。
俺はいつでも、その後のことを考えていたのである。

偽善者1号『黒旋風のテツ』より


もちろんあたしは
リアルでは言いたいことすら言えないような
超がつくほどのへたれだから
このお話は全部虚構だよん

なんか勘違いして怒ったりしないでね

イチは喧嘩の時、頼りになる男だった。彼のおごりで飲みに行ったこともある。だが、俺たちは誰一人、彼の無念を口にすることができなかった。

「こいつが悪いことをしたから」

俺たちは、その言葉とともに得体の知れぬ何かを飲み込んだ。あまりにも苦く、腹が千切れるほどのビールの味だった。

偽善者1号『黒旋風のテツ』より


あたしは
満州で憲兵をしていてシベリアから帰ってきた人に育てられた
そんな娘をしっている
(他の人の記憶の上、また聞きだから、そんな境遇の人がいるわけないとか言わないでね)

彼女「も」戦争を憎んでいる

あたしは彼女が母親になって
「従軍慰安婦」の真相を自分の子どもたちに「知られたくない」と考える
その理由「も」わかる

だから、彼女の父親や彼女たちが
くだらないテレビ番組に向かうのは必然だと
あたしはおもうのだ

真実を追究するサヨクの「表現」を「聞きたくない」と拒否することもまた当然だと……

どうか
言葉の国のみなさんには
この方々に民主主義を浸透させるのはどんな言葉なのか
今一度考え直してみていただきたい

第19条 思想及び良心の自由は、これを侵してはならない。

第20条 信教の自由は、何人に対してもこれを保障する。いかなる宗教団体も、国から特権を受け、又は政治上の権力を行使してはならない。
2 何人も、宗教上の行為、祝典、儀式又は行事に参加することを強制されない。
3 国及びその機関は、宗教教育その他いかなる宗教的活動もしてはならない。

第21条 集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。
2 検閲は、これをしてはならない。通信の秘密は、これを侵してはならない。


この三つのお札が並んでいることの意味

してはいけないことと、保障されていること

一度考えて

人が鬼になるのではない
人間集団に取り憑き、人を取り囲む思想が
人に鬼の面を被せるのである


はやいとこそこから抜け出さないと

このことを胸に刻んで

教えるとは希望を語ること 学ぶとは誠実を胸に刻むこと
ルイ・アラゴン『ストラスブール大学の詩』より


そして

語りかけるときには、ありったけの思いやりと、覚悟を


限りなく絶望に近い希望に向かって
posted by gon at 05:40| Comment(0) | TrackBack(1) | 壊憲手続き簡略化法案 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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