第27条 すべて国民は、勤労の権利を有し、義務を負ふ。
第30条 国民は、法律の定めるところにより、納税の義務を負ふ。
まず、我々が人間であることの意味を問うてみよう
通説に
象は自ら死地に赴くという
自らの命の短くなったことを理解したら
群れから静かに離れるのだそうだ
さすが陸の王者だ
孤高のうつくしさがある
だれもその老いの責任を取るものはいない
だから自らその生をしまう
真実であれば感動的だ
いい話だ
だが
人間は違う
自ら死を選べない
選んではいけない
選ばせてはいけない
社会の中に人間は
生きてはたらく務めを帯びている
みんなの心にともる火を
燃やし続ける使命がある
絶やさずはたらく仕事がある
我々は
誰かほかのものが自ら死を選ぶことを
暴力として受け止める
そのことを学んでいる
知っている
経験している
自ら死を選ぶ
ほかのもののその選択を
人々が肯定するようになれば
その社会は何か
大切なものを欠いてあると言わざるを得ない
本当はあってはならないことだという
留保抜きの肯定
それは人間社会の破滅に等しく
思いやりの枯渇であり
道ばたに打ち捨てられた
骸のようなものだ
だから
ほかの命を輝かせるために
そのためにはたらくことのできなかった多くのものは
生きている人間の多くは
せめて金でもって
人の世をつなぐのである
社会のこの悲しい出来事を慰めるために
人の世にほどこすのである
人の世でつぐなうのである
地表を覆い尽くす我々は
もうどこにも死地を見つけられないのだから
ほかのすべての人生の終わりを
輝かせる使命を授かっているのである
それは
この人が生き抜いたという感動を
みんなで創造するはたらきだ
全く奇跡的な出来事ではあるのだが
常に人の死にこのような形で
向き合いたいと願う
人間はそう願う
願い続けてきた
真っ直ぐな気持ちだと思う
だがこの思いはほとんど
ねじ曲げられる
打ち砕かれる
踏みにじられる
我々のほとんどの死は暴力でしかないのだ
だからせめて
はたらきを金に代えて
捧げるのである
弔うのである
慰めるのである
社会に生きる人々の
生命の糧
税金とはそのようなものだと考える
よく心して
大事に使って欲しい
(うまれで くるたて
こんどは こたに わりやの ごとばかりで
くるしまなあよに うまれてくる)
おまへが たべる この ふたわんの ゆきに
わたくしは いま こころから いのる
どうか これが兜率の 天の食に 変わって
やがては おまへとみんなとに 聖い資糧を もたらすことを
わたくしの すべての さいはひを かけて ねがふ『永訣の朝』宮沢賢治
ずっと以前、NHKで終末期医療に携わる病院のことが出ていた
ホスピスと呼んでいたかどうかは覚えていないが
その病院に
嘆きの間というのがあって
病院に勤める人々がそこで声をあげるということだった
その部屋の
壁と天井とに吸い込まれた悲しみの
何分の一かでも引き受け
祈り続ける
容易ではないが
やっていかなければならないことだと思う
容易ではないが
なんだか途方もない話になってしまった
宮沢賢治がいけなかったか
ほかのせいにしてもしかたがないけど
今日はここまで
また明日か明後日かその次か
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