レジームチェンジ反対

2007年01月29日

人権を尊重する気がないのなら

第24条 婚姻は、両性の合意のみに基いて成立し、夫婦が同等の権利を有することを基本として、相互の協力により、維持されなければならない。
2 配偶者の選択、財産権、相続、住居の選定、離婚並びに婚姻及び家族に関するその他の事項に関しては、法律は、個人の尊厳と両性の本質的平等に立脚して、制定されなければならない。

ある国会議員が夫婦別姓を認めると法の理想が犠牲になってしまうと述べた。我々が法の理想という場合の「法」というのは憲法のことを指すのだと思う。それで上の条文をどう読んだら「夫婦別姓」が「法の理想」を犠牲にしてしまうのか。自分なりに判読を試みた。しかしどうしたものか全く要領を得ない。少しも腑に落ちるところがないのである。

たとえば「人間は罪を犯してはならない」という理念があったとき
憲法はそうは書かない
「人権を尊重する」
「平和を希求する」
「その理想をみんなで実現していく」
この三つがあればすべて事足りるからだ
この三つに向けてみなが努力すれば犯罪など起こらない
これが法の理想である

ところがそのことを知らない無法者があらわれるから
基本はそうなのだけどという本音を掲げつつ
罪と罰の概念が生じてきて
刑法と、そして法廷という場が
あくまでも必要悪として存在するのである
そこで司法は我々の誰もが引き受けたがらない
人を愛するがゆえに人を裁くという
根源的な矛盾を背負わされている
裁くことを使命として憲法から担わされたがために
人間の自然に合致しない損な役回りを強いられているのだ

感謝しなければならない

我々日本に生きるすべてのものは
本来なら人権を尊重しなければならない
理想はそうであるのだが
放っておくとどうしても
ほかの人権を侵すものが出てくる
そんな無法行為を犯したもののために
司法は涙をのんで
そのものに罪を与えるのである
仕方なく、よんどころなく罰を用意するのである

有り難いことだと思う

刑法にはどのようなことが犯罪か具体的に書いてある
たとえば殺人は犯罪である
しかし死刑の執行は犯罪ではない
刑法は矛盾を内在している
いつまでも不完全に逡巡している
憲法はそのはるか上方に鎮座し
人殺しのない世の中と
そして死刑などという残虐な裁きが存在しない世界を求めている
我々はそれを求めている
こんなことはあたりまえのことである

天に楯突いた罪で
断罪者としての使命を与えられた
阿修羅のその泣き顔に思いをはせて
その有り難さをかみしめる


そこで第24条であるが
はじめに「婚姻は」と書かれてある
わざわざ「婚姻」と具体的にものしてあるのだ
そこからこの条文を読めば
憲法の理想は「婚姻という制度」に対しての言及であり
「婚姻による家族形態」のありようを規定するものではないことがわかる
理想としてはひとりひとりが法の縛りなく自立することが望ましい
だが、それはあまりにも遠く果てしない道だ
それに人間というものは産んでもらい、育ててもらわないとやっていけない
人として自立するためには誰かが産み、そして育てないといけないのだ
だからそのために一夫一婦の婚姻という縛り
いささか不十分ではあるが我々の先代の多くが選び取ってきた相互扶助の形態
もちろん理にかなっている部分が多いから先達はそれを規定してきたのだけれども
それを婚姻制度という形で承認している
その中においても法の理想である人権の概念はもちろん生きている
そうして互いを尊重し、協力して人生を歩みなさいと言っているのだ

実に理にかなったことだ

人権を尊重する器として憲法が承認した
この制度の維持のために人権が規制されるというのは
花を生けるために幹を切り落とすようなものである
各々が床の間で生け花を愛でるのは勝手だが
そのために大樹を
その依って立つところの地面を
満面に慈愛をたたえ全てのものに恵みをもたらす
母なる大地を汚すことを
憲法は決して許さない

憲法の理想ということを考えれば
型にはまった家族形態を維持するという名目で
自分の名前を変えたくないと感じる個人の欲求を断ずるというのは
どこをどう捻っても出てくる結論ではないのである
むしろそういうことが起こらないように憲法は
「婚姻という制度」を戒めているのである
縛られているのは人権ではなく
あくまでも制度の方なのである

もし「婚姻」において根源的に人権の尊重が困難であるという
そういう判断が出てくれば
みながそう断ずれば
憲法は制度を選ばない
憲法は人権を選ぶ
そしてその枝葉である「婚姻という制度」は切り捨てられるのである
これは破門と同じことだから
その場合は断罪者も心おきなくそのなたを振るうことができる

頼もしいことである

長くなりすぎたからわかりやすくまとめよう
「人権を尊重しないのなら結婚しないよ」
憲法は最初からそれでいいと言っている
婚姻は両性の合意のもとにのみ成立すると書いてある





そこで先の弁護士であり女性であり
国会議員であるところの語る「法の理想」についてだが
両性の合意なしでも家のためにお国のために子作りのために
投票労働戦闘マシーンを製造するために
結婚しなさいとでもいうおつもりか
「法の理想」とはそういうことだと
いいたいのかよいなださん
ついでに厚生労働大臣さん

人を信じられないのなら最初から刑事なんかやってない(だったかな?)
『ドーベルマン刑事』
posted by gon at 20:44| Comment(1) | TrackBack(7) | 美しい日本の諸制度 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
別姓大賛成!なのだ。
それが、自分なんだからしかたないや(苦笑)。
数年前、プロポーズされて、
婚約寸前まで行ったひとに 事実婚とか別姓の話したら
その翌日に別れ話された コトがあって、とほほだったりした。
ああ!人生に涙あり。
人に歴史あり(爆)。
Posted by ちろ at 2008年06月16日 17:45
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